そもそも、肌はなぜ乾燥したり、炎症を起こしてかゆくなったりするのでしょうか。
それを知るためには、まず皮膚の構造とバリア機能についておさらいすることから始めましょう。

皮膚の表面は「角層」と呼ばれるごく薄い層になっています。
角質の細胞は、タンパクと皮脂膜、そして天然保湿因子やセラミドで構成され、ホコリなどの外敵から皮膚を守る強いバリア機能と、水分が蒸散しないように保持する機能とを備えています。この
角層の厚みは、たった0.02mm! キッチンにある食品用ラップくらいのごく薄い層なのです。そして、皮膚の水分の多くは、この角層の下にある層に蓄えられています。
つまり、皮膚表面の角層は、内側の水分を逃さないためのガード役。
なんらかの要因でこの
角層のバリア機能が低下してしまうと、皮膚にキープされていた水分が蒸散してしまったり、化学物質や化粧品、汗などの刺激物が角層の内部にまで侵入したりするのです。
そうなると、皮膚は乾燥肌〜肌荒れ〜皮膚の炎症へという負のスパイラルにおちいります。
角層のバリア機能を低下させ、乾燥させてしまう要因はさまざまです。加齢もそのひとつですが、若い人でも睡眠不足や過労、ストレス、栄養不足、日焼け、気温の低下、花粉、かぶれ、そして皮膚の洗いすぎやこすりすぎによる刺激などが、皮膚トラブルを引き起こさす要因になります。
特に、これから本格的に増える「スギ花粉」は、アレルギーの原因物質となるだけでなく、スギ花粉そのものが皮膚を乾燥させてしまうことも明らかになりました。
乾燥肌は、すでに肌荒れを起こしかけている状態なのです。しかし、この肌荒れスパイラルにおちいる前に、正しいスキンケアと保湿で角層のバリア機能を回復させることができれば、皮膚炎を起こす前に食い止めることができます。