Health
2024.9.25

秋にも花粉症!? 季節の変わり目に要注意!

秋にも花粉症!? 季節の変わり目に要注意!
「花粉症」というと、3月から4月にピークを迎える「スギ花粉症」を思い浮かべますが、実は秋に症状が出る花粉症もあることをご存じですか?
8月から10月にかけて飛散するブタクサやヨモギなどの花粉も、目のかゆみや鼻炎、花粉皮膚炎など春のスギ花粉症と同じような症状を引き起こします。秋の花粉症の特徴や注意点についてお話ししましょう。

空き地などの草むらに茂る
ブタクサやヨモギが原因に

夏の終わり頃から始まる秋の花粉症。その原因になるのは、キク科の「ブタクサ」や「ヨモギ」、アサ科の「カナムグラ」などの植物です。
これらは春の花粉症の原因になるスギやヒノキといった背の高い樹木とは異なり、低いところに茂る草です。そのため、花粉も風にのって遠くまで飛散することはありませんが、住宅街やオフィス街のちょっとした草むらにも自生している植物なので、日常生活でこれらの花粉にさらされる危険性は大きいのです。
そもそも、1961年に日本国内で最初に花粉症の症例報告があったときも、スギではなくブタクサによる花粉症でした。


花粉の飛散量や飛散のピークの時期は、その年の気候によって異なるうえ、地域による時間差もあります。最近では、いろいろなウェブサイトで花粉の飛散予報が検索できるので、ぜひ活用しましょう。
たとえば、関東では、秋の花粉の飛散ピークは9月! この時期に「鼻水が止まらない」「咳が出る」「目がかゆい」などの症状が出る人は、ブタクサなどによる花粉症の可能性が高いと考えられます。

スギ花粉よりタチが悪い、
秋の花粉

秋の花粉症も、基本的な症状と治療法は春の花粉症と同じです。ただし、少し違うところもあるので気をつけましょう。

ブタクサの花粉はスギなどの花粉よりも粒子が小さく、口や鼻から吸い込むと気道の奥まで入りやすいのです。そのため、花粉が気管支にまで入り込んでしまうと、咳が止まらなくなったり、喘息のような症状を引き起こしたりすることもあります。
さらに、小さな花粉の粒子が皮膚に付着すると、花粉皮膚炎の原因になることも。秋は空気も乾いてきてお肌も乾燥しやすくなるので、花粉の刺激でかゆみや肌荒れなどが起こるケースが多いことも特徴です。

意外に悪化しやすい秋の花粉症、侮ってはいけませんね。なお、春にスギやヒノキによる花粉症になる体質の人は、残念ながら秋の花粉症も起こしやすいことがわかっています。草むらにはできるだけ近づかない、庭がある場合は花が咲く前に雑草を取り除く、外出から帰ったら髪や衣服、靴の表面を払ってから家に入り、うがいや洗顔で花粉を洗い流すなど、自分でできる対処法を実践しましょう。 症状がひどい、あるいは長引くような場合は、耳鼻科や眼科、アレルギー科を受診して抗アレルギー薬などによる治療が必要です。毎年、症状が出る人は、早めの時期から薬をのみ始めることで、重症化を予防することができます。

花粉症のような症状でも、
実は違う原因ということも

一方で、秋の花粉症と勘違いしがちなケースもあります。
まずは「かぜ」。季節の変わり目は寒暖の差も大きく、かぜをひきやすい時期ですね。鼻かぜ症状や咳が悪化していく場合や発熱を伴うような場合は、花粉症ではなく、かぜかもしれません。

また、かぜ以外にもハウスダストやダニによるアレルギー反応として鼻炎や咳の症状が出るケースも、この季節には多いので注意が必要。 特に、ダニは真夏の暑い時期に繁殖して、秋になると死んでしまいます、ダニの死骸は粉状になって寝具や床のホコリなどから私たちの体内に入りこみ、アレルギー症状を引き起こします。
そして、最後にもうひとつ、花粉症とフルーツが関与する「ラテックス-フルーツ症候群」とも呼ばれるアレルギー症状についてお話ししましょう。 バナナやスイカ、メロンなどを食べて、口の中がピリピリした、喉がイガイガしたという経験はありませんか?

これは、ゴム手袋などに使われるラテックスにアレルギーのある人が、これと似ているタンパク質を含むフルーツを食べたときに、体の免疫システムが勘違いしてアレルギー反応を起こしている状態です。
そして、実はブタクサの花粉もよく似たタンパク質を含んでいるため、ブタクサで花粉症を起こす体質の人は、これらのフルーツを食べるときには慎重に。ラテックスアレルギーの症状も、重度の場合はアナフィラキシー・ショックを起こすケースもあるからです。

この記事について

・空き地などの草むらに茂るブタクサやヨモギが原因に
・スギ花粉よりタチが悪い、秋の花粉
・花粉症のような症状でも、実は違う原因ということも

参考文献:
日本花粉学会会誌 2020年65巻2号: P55-66


構成/文 吉本 直子
医療・健康ライター。一般向けの健康書籍や雑誌記事の執筆をはじめ、医師向けの学術誌制作にも携わる。得意なジャンルは皮膚科学全般および美容皮膚科学、婦人科学、漢方医学、栄養学など。ライフワークは医学学会に参加することと、歌舞伎と浮世絵から江戸時代の人たちのセルフメディケーションを学ぶこと。

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