松尾芭蕉も訪れた日本三景の一つ、島々を望む絶景、松島(宮城県)では栄養がない岩の上で松が育っています。
これは松と共生するショウロの菌根菌の働きです。
ショウロの菌糸体は松の根が入りこめない土壌の小さな隙間に菌糸を伸ばし、水分、窒素、ミネラルなどを吸収して松の木に送ります。
同時に乾燥や加湿から松の細い根を守ります。
ショウロは松の根がなければ生きていけませんからウインウインです。マツタケとアカマツと同じ共生の関係です。
菌糸体といえば、米国ミシガン州の広葉樹林に広がるナラタケの菌糸体は15ヘクタール(東京ドーム3個分)、推定重量100トン、推定菌齢1,500年。
地球上最大の生物と言われています。植物さえも少ない砂漠や南極にもきのこが生きています。
雨粒や動物が触れた衝撃を利用して胞子を飛散させる深い知恵で、きのこは地球全体へ分布を拡大しています。
最新の研究によって、きのこやカビが多い森林の上空は菌由来の雲ができて雨を降らせているらしいのです。
きのこは自ら作った雲から落ちる水滴によってどんどん生息域を広げているのでしょう。
※野生のキノコの中には有毒成分を含むものもあります。安易に触ったり、食べたりすることは避けてください。