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Beauty
2023.12.15

「温活」の極意は、「冷やさない」ことから

「温活」の極意は、「冷やさない」ことから
「冷えは万病のもと」と言われるように、体を冷やすことは健康にも美容にもよくないとされてきました。近年は、女性を中心に「温活」がブームに。 まず、私たちの生活の周りに潜む「冷え」の原因を知ることから始めていきましょう。

そもそも、
「冷え」はなぜ起きる?

「シャワーで済ませずに湯ぶねに浸かる」、「家でも靴下をはく」、「冷たいものはやめてホットドリンクを飲む」いずれも冷えを遠ざけて、効果的に体を温める正しい温活法ですよね。 この数年で、薄着に見えても極暖効果のあるインナーや、スマホの充電器が携帯カイロになっているものなど、さまざまな温活グッズを見かけるようになりました。 でも、体を温めたくなるのは、冷えていることを自覚しているから。 それなら、まず「冷やさない」ことから始めればいいのでは?日常生活のなかで、自分が気づかないうちに体を冷やしてしまっていることだってあるかもしれません。

「体が冷える」という現象を科学的に言い換えると、血液の流れが滞って自分の体内で熱をつくれなくなったために、体温が下がってしまうこと。 現代人の便利になりすぎた生活が、体温調節をすることができない、冷えやすい体を生んだとも言えるでしょう。

原始時代の先祖たちは、火を使うことを覚えて暖を取れるようになり、冷たい外気から身を守ってきた毛皮を脱ぎました。 しかしその結果、火が消えて寒くなっても自分で熱を産生する力が衰えてしまったために、いったん脱いだ毛皮をまた着込むことになりました。 その後も文明の発達とともに、私たちの暮らしは冷暖房完備で車移動にエレベーター、冷凍冷蔵庫に支配され、自分で熱をつくって体内にキープし、必要に応じて放熱して汗をかく、という生物としての体温調節能力が衰え、体温が下がって常に冷えを感じるようになってしまったのです。

女性のほうが冷えを訴えやすいのは、一般的に女性は男性よりも筋肉の量が少なく、脂肪が多いから。 私たちの体は、骨や神経を除けばほとんどが筋肉と脂肪とで構成されています。 筋肉には血液が流れていて、熱を産生することができるのに対し、脂肪には血流がないため、いつも冷たいのです。 ジムに通って筋肉を増やし、血流をよくすることも、冷え防止に効果的ということですね。

冷たい飲みものを好む
アジア人

高温多湿な環境で暮らす私たちは、冷蔵庫で冷やしたお茶やビールなどを飲むことが習慣化しています。 湿度の低いイギリスやドイツなどでは、ジュースやビールでさえ常温で提供されることが普通なので、日本人は戸惑うようですが。 冷たい飲みものによる体の冷えは、疲労感や胃腸の不調、頭痛、肩こり、不眠など、さまざまな体の不調を引き起こします。 たとえば、温度管理された室内で冷たいものをごくごく飲んだとき、体のなかでは何が起きているでしょうか?

私たちの体内の温度は37〜38℃と、かなり高めに保たれています。 そこに、冷蔵庫から出したばかりの8℃くらい飲みものが流れ込んできたら、その温度差は約30℃。 そのままでは神経系などに不調が生じてしまうため、消化管の周りを流れる血液がこれを温め、できるだけ温度差をなくして胃腸に負担がかからないよう、調節システムが働くのです。 冷たいものばかり飲んでいると、疲れやすさを感じるのが当然のことだとわかりますね。 水分補給のためのお水やお茶は、ペットボトルでも常温で飲む習慣を。もちろん、温かいお茶なら、なおいいですね。

温活に欠かせない
お風呂の入浴方法と注意点

毎日できる温活として、誰もが思いつくのが「お風呂」。シャワーだけで済ませずに湯ぶねに浸かると、1日の疲れが癒やされ、冷えた体が芯から温まります。 昔の江戸っ子は熱い湯を好んだようですが、冷えを解消するためには、38〜40℃のぬるめのお湯に最低でも5分間、できれば10分間浸かります。 42℃以上の熱いお湯だと、体の表面だけが先に温まって汗をかいてしまい、かえって湯冷めをする原因になります。温度設定できる浴室給湯器がないときは、湯温計があると便利かもしれません。 5分間、お湯に浸かるのは、意外に長いものです。瞑想するもよし、髪のトリートメントやフェイスパック、首や手足のマッサージ、ていねいに歯を磨く、好きな音楽を聴くのもいいですね。 スマホやタブレットをバスルームに持ち込むための専用スタンドやケースも人気です。

温活には最適なはずのお風呂ですが、実は意外なリスクが。 お風呂のお湯は水道水を沸かしたものなので、塩素が含まれています。 日本国内の水道水は病原菌などの消毒のために、蛇口での残留塩素濃度が0.1mg/L以上に保持されるよう、水道法で定められています。

塩素が含まれるからこそ、飲み水としても安全に利用できるのですが、この水を沸かしたお湯に浸かると、残留塩素が皮膚から侵入しないように末梢の血管が収縮してしまい、血流が悪くなって体が温まりにくくなるのです。 なお、残留塩素の濃度は、地域によって多少の差があるようです。浴室の鏡や水栓の金属部分に残った水分が蒸発したとき、白く残って落ちないのは、残留塩素が強いサインです。

しかし、水道水の残留塩素は、ビタミンCを加えることによって中和することができます。 バスタブ用のビタミンCタブレットや入浴剤なども市販されていますが、家庭で手軽にできる対策としては、レモンやみかんなど柑橘類の皮を100円均一などで売っているお茶パックや布袋に入れて湯ぶねに投入し、一緒に沸かすという方法があります。 これなら香りも良くなり、リラックス効果とともにお肌すべすべ効果もあって一石二鳥です。寒くなってきた12月の冬至の日に「ゆず湯」に入るという習慣は、理にかなっていますね!

当然のことながら、プールの水はもっと塩素の濃度が高いのです。厚生労働省によって、遊泳用プールの水は残留塩素濃度が0.4mg/L以上であることが義務づけられています。 水道水よりもかなり塩素濃度が高いため、温水プールであっても体が冷えます。スイミングや水中ウォーキングを習慣にしている人は要注意。 ボディをしっかり包んで太ももまで被うタイプの水着をおすすめします。そして、プールから上がったら、少し熱めのシャワーやお風呂、サウナなどで体をよく温めましょう。

ストレスフリーな
ゆとりのある生活を

そして、現代人が避けて通れない「ストレス」も、冷えの原因になります。 少しのプレッシャーは、適度な緊張感とやる気を産みますが、過度なストレスがかかると、緊張したときに働く交感神経が優位になって血管を収縮させるため、血流が滞って冷えにつながります。 まったくストレスのない生活はあり得ないので、せめて深呼吸して温かいお茶をゆっくり飲んで、気持ちのゆとりを取り戻すようにしたいものです。

オフィスや自宅に誰かが訪ねてきたときも、冷蔵庫から無造作にペットボトルのお茶を出して勧めるのではなく、お湯を沸かしてていねいにお茶を入れる心の余裕。 あるいは、忙しい毎日でもシャワーで済ませず湯ぶねに浸かり、冬至の日には「柚子湯」に入って季節感を味わう。 そんなちょっとした生活のひと手間が、冷えを遠ざけて、心も体も温めてくれることでしょう——結局、温活の極意は「ゆとり」なのかもしれませんね。

この記事について

・そもそも、「冷え」はなぜ起きる?
・冷たい飲みものを好むアジア人
・温活に欠かせないお風呂の入浴方法と注意点
・ストレスフリーなゆとりのある生活を

参考文献:
川嶋 朗著『クールな男は長生きできない こわい!オトコの「隠れ冷え」』(オレンジページ)
漆畑 修著『美しくなる入浴術 お風呂と温泉で心・体・素肌をきれいにする』(メディカルトリビューン)

構成/文 吉本 直子
医療・健康ライター。一般向けの健康書籍や雑誌記事の執筆をはじめ、医師向けの学術誌制作にも携わる。得意なジャンルは皮膚科学全般および美容皮膚科学、婦人科学、漢方医学、栄養学など。ライフワークは医学学会に参加することと、歌舞伎と浮世絵から江戸時代の人たちのセルフメディケーションを学ぶこと。

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