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Health
2024.03.27

昨夜はよく眠れましたか?

昨夜はよく眠れましたか?
近頃、睡眠をテーマにしたテレビの特番やネットのニュースを頻繁に見かけるようになりました。
「眠れない」「朝、すっきり起きられない」といった悩みを抱える人が増えていることが、すべての年齢において問題視され始めているためです。
あなたの睡眠は大丈夫ですか?

睡眠を
見直してみましょう

はじめに、睡眠についてのセルフチェックをしてみましょう。
当てはまると思ったらチェックを入れてくださいね。

□Q1 疲れていてもなかなか眠れない、寝つきが悪い
□Q2 本音は、毎晩もっと長く睡眠をとりたいと思っている
□Q3 眠りが浅い、深く眠れた気がしない
□Q4 朝、起きたときに疲労感を感じることが多い
□Q5 朝方に目が覚めてしまい、二度寝したくても眠れないことが多い
□Q6 昼間に眠気を感じることが多い、居眠りをしがちである
□Q7 テレビや照明をつけたまま寝てしまうことが多い
□Q8 深夜にスマホやPCでドラマを観たりゲームをしたりするのが好き
□Q9 朝ご飯を食べるより、ギリギリまで寝ることを優先している
□Q10 平日と比べて、休みの日は朝起きるのが2時間以上遅い

いかがでしたか?
Q1〜3 は睡眠の「量(時間)」について、Q4〜7は睡眠の「質」について、Q8〜10は、睡眠の「リズム」についての質問でした。 全体で3項目以上にチェックがついた人は、睡眠に何らかの問題がある可能性があります。チェックが多いほど、要注意。
このコラムを読んで、ご自身の睡眠やライフスタイルを見直すきっかけにしてください。
今、睡眠に何らかの問題を抱える人が多いことが社会問題となっています。 単に睡眠時間が足りないということだけでなく、寝つきの悪さや眠りが浅くて目が覚める中途覚醒、昼間の異常な眠気などの睡眠障害に悩む人が増えているのです。

世界一、
睡眠時間が短い日本人

下のグラフは、OECD(経済協力開発機構)が2021年に発表した調査結果にもとづいて、先進国を中心とした世界33カ国の1日あたりの平均睡眠時間を比較したものです。
日本の平均睡眠時間は7時間22分で、OECD加盟国の中で最も短いという結果でした。 例えば米国では8時間51分と、日本人より毎晩1時間半も長く眠っていることがわかります。

もともと、日本では他国と比べて眠ることを軽視する傾向があり、寝ないで勉強したり、徹夜で仕事を仕上げたりすることが美談と捉えられてきました。
その結果、睡眠不足や睡眠障害が国民病となり、仕事の効率を悪くするだけでなく、生活習慣病などを引き起こす要因にもなっています。この事態を重くみた厚生労働省は、「健康日本21」政策の一環として、「健康づくりのための睡眠ガイド」を策定しています。 また、2022年には、国会内にも超党派による「国民の質の高い睡眠のための取り組みを促進する議員連合」が発足し、睡眠健診の必要性などについて協議を始めています。

睡眠障害は
子どもにも!

さて、高校生以下のお子さんがいる方への睡眠チェックです。
お子さんの睡眠について、お答えください。

□Q11保育園や学童保育から帰宅してから、就寝するまで2時間以内である
□Q12 部活や塾、習いごとが忙しくて帰宅が遅く、夕食が9時以降になる日が多い
□Q13 朝、起こしてもなかなか起きられない、機嫌が悪いことが多い
□Q14 朝ご飯を食べない、朝は食欲がないことが多い
□Q15 疲れて、夕方4時以降に遅めの昼寝をしてしまうことが多い


2つ以上、チェックがついたら、お子さんの睡眠を見直す必要がありそうです。
実は、睡眠に問題を抱えているのは大人だけではありません。 日本の子供たちは、幼少期から睡眠時間が少ないことが明らかになっています。 現代の子どもたちは忙しく、幼稚園・保育園児から高校生まで、夜の就寝時間が遅く、成長期に必要とされる睡眠時間を確保できていません。 主に都市部で顕著な事情として、両親の労働時間や通勤時間が長いことが多く、帰宅後の夕食の時間や就寝時間が後ろにズレてしまうために、どうしても慢性的な睡眠不足になりがちだという事情もあります。

さらに、コロナ禍で電子ゲームやスマホを見る時間が長くなったことや、外遊びが少なくなったことも要因となって、子どもでも睡眠障害で医療機関の「不眠外来」などを受診する例も増えてきているという報告もあります。 健全な睡眠がとれないことは、心身の発育や学習効果にも直結する問題です。
前述した厚労省の「健康づくりのための睡眠ガイド」にも、「成人版」「高齢者版」とともに「子ども版」が設けられています。 また、東京大学を中心としたプロジェクトチームでは、2022年から「子ども睡眠健診プロジェクト」を開始しました。 全国の小学生から中高生を対象に、睡眠を客観的に測定し、分析したデータを蓄積するという大規模な調査です。

生物は
なぜ眠るの?

そもそも、私たちはなぜ眠るのでしょうか。眠くなったら寝るのですが、私たちは自分が睡眠をとることの目的を知っているようで、実はよくわかっていないかもしれません。
すべての生物は睡眠をとります。哺乳類である動物たちはもちろん、小さなハエでさえも、睡眠と覚醒を繰り返していることがわかっています。 睡眠と覚醒の区別は、脳波を調べることによって判別できます。では、私たちが眠っている間は、脳も活動を止めて眠っているのでしょうか。 答えはNO! 脳が活動を停止してしまったら、私たちは体温や呼吸を維持することができません。

脳は眠っている間も活動していますが、起きている時とは違うパターンで脳のメンテナンス作業をしています。 例えば、アルツハイマー型認知症の原因でもある脳の老廃物「アミロイドβ」というタンパク質は、睡眠中に脳脊髄液内で洗い流されて、脳に蓄積することを防いでいます。

また、脳の記憶の整理も睡眠中に行われます。「昨日、ちょっとイヤなことがあったけど、ぐっすり眠ったら忘れられたわ」という経験はありませんか?
これは、寝ている間に脳が不要な情報を消去し、新しく学習した必要な情報を整理して、脳の引き出しに格納してくれたお陰なのです。 一夜漬けの勉強や仕事の準備なども、完徹するよりは、ほどほどで切り上げて睡眠をとったほうが、記憶や情報が整理されて効率がUPするはずです。

さらに、深い睡眠がとれている時間帯には、脳の下垂体から「成長ホルモン」が盛んに分泌されます。 このホルモンは名前の通り、子どもの発育に不可欠なホルモンであると同時に、私たちの全身の内臓や骨、筋肉の細胞の修復と再生にたずさわっています。 もちろん、皮膚の細胞も同様です。日焼けや切り傷、皮膚炎、エイジングなどによるお肌のダメージも、このホルモンによって修復され、皮膚細胞のターンオーバーが促進されます。 寝不足が続くと肌荒れやニキビの悪化が起こりやすくなり、ぐっすり眠れた翌朝には何となくスキントーンが上がっているように見えるのも、ちゃんと根拠があることなのですね。

病気を治したり、予防したりするために大切な免疫力も、睡眠中に分泌される「メラトニン」というホルモンによって強化されます。 メラトニンは、通称「睡眠ホルモン」と呼ばれ、私たちの眠りのカギを握る大切なホルモンのひとつです。

眠ることをおろそかにせず、
もっと大切に考えよう

私たちが健康と若々しさ、そして美肌をキープするためには、十分な睡眠が必要だということがわかっていただけたでしょうか。 しかし、ただ長く寝ればいい、というわけではなく、睡眠の量(時間の長さ)と質(睡眠の深さやサイクル)、そしてリズム(生活スタイル)が整い、バランスがとれていることが重要です。

まず、今日から実行できる良眠のための習慣として、いちばん簡単で大事なのは、「朝起きたら、まずカーテンと窓を開ける」ことです。
「ウチは北西向きだから、朝日は入らないのよね」などといわずに、ぜひ実行してみてください。 雨の日でも真冬の曇りの日でも、太陽の光はちゃんと降り注いでいます。 室内にいても、脳は目から入る太陽光と皮膚からの外気の刺激を感じて、朝が来たことを感知し、目覚めのホルモンである「セロトニン」が分泌されます。
このセロトニンの分泌が、実はとても大切な意味を持っています。なぜなら、朝起きてセロトニンが分泌されると、そのおよそ15時間後に、眠くなるための睡眠ホルモン・メラトニンが分泌されるからです。 例えば、朝6時に起床して太陽光を浴びたら、脳は夜9時頃からメラトニンを分泌して眠りに入る準備を始めます。メラトニンがたっぷり分泌されることが、質のよい睡眠につながります。
夜は照明やテレビをつけっぱなしにせず、暗くした部屋で就寝することが鉄則です。 そして、仕事や学校がお休みで早起きしなくていい日でも、だらだらと朝寝することはやめて、いったんいつもの時間に起床し、カーテンを開けて朝日を浴びます。 この習慣をしばらく続けたら、きっと朝の目覚めがスッキリして、夜もスムーズに入眠できるようになるでしょう。

さて、もうひとつ、睡眠の質をよくするためにとても大切な習慣があるのですが、それはまた次回のコラムでお話しします。

この記事について

・睡眠を見直してみましょう
・世界一、睡眠時間が短い日本人
・睡眠障害は子どもにも!
・生物はなぜ眠るの?
・眠ることをおろそかにせず、もっと大切に考えよう

参考文献:
経済協力開発機構(OECD)、Gender data portal 2021


構成/文 吉本 直子
医療・健康ライター。一般向けの健康書籍や雑誌記事の執筆をはじめ、医師向けの学術誌制作にも携わる。得意なジャンルは皮膚科学全般および美容皮膚科学、婦人科学、漢方医学、栄養学など。 ライフワークは医学学会に参加することと、歌舞伎と浮世絵から江戸時代の人たちのセルフメディケーションを学ぶこと。

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