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Health
2024.6.14

「腸がむくむ」って、どういうこと?
~腸をいたわる生活のススメ~

「腸がむくむ」って、どういうこと?——腸をいたわる生活のススメ——
夏は、意外にお腹を冷やしてしまう機会が多いのではないでしょうか。
調子に乗って、冷たいビールに激辛カレー、といった食生活を続けていると、腸がむくんでしまい、放っておくと重大な病気になってしまうことも! 今回のテーマは「腸のむくみ」です。

むくむのは顔と脚だけ
だと思っていたけど

「むくみ」というと、「昨日飲みすぎて、朝起きたら顔がパンパン」「立ち仕事で脚がむくんじゃった」といった具合に、顔や手足のことを表現するのが一般的です。でも、顔や手足だけでなく、腸もむくんでしまうことがあるのをご存知でしょうか。

当然のことながら、腸のむくみは体の外から見てわかるものではありません。でも、「飲み会の翌日は、いつも下痢しやすい」「焼肉行って爆食いしたら、痛いってほどじゃないけどお腹に違和感」なんていう覚えのある人は、もしかしたら腸がむくんでいる可能性大なのです。

腸のむくみは、誰がどうやって確かめるのでしょうか。
それは、私たちの胃腸の健康を診断する消化器内科のドクターが、内視鏡を使って大腸の内側の粘膜を観察したときに、目で見て確認できるものです。 大腸がん検診の「大腸内視鏡検査」は、洗腸液で腸の中をきれいにする処置を行い、下から細い大腸カメラを挿入して腸管の内側の状態を詳しく観察します。暴飲暴食が続いたり、なんらかの感染による刺激が加わったりして腸の粘膜が炎症を起こしてしまうと、腸の壁の細胞が赤く膨らんで、まさにむくんでいるように見えるのだといいます。

消化器内科のドクターたちにとっては日常的に使う表現でも、検査結果を聞きにきて「腸がむくんでいますね」といわれた患者さんたちはびっくり!
さらに、腸のむくみを放置すると、「大腸ポリープ」や、ポケットのような「憩室」という穴ができやすくなって「大腸がん」になる可能性もあると聞いて、二度びっくりします。

欧米スタイルの食生活が
腸のむくみを引き起こす!

腸の粘膜層には神経がないため、ごく軽い炎症が生じても痛みを感じることはありません。しかし、慢性的な炎症が腸壁の筋肉や外側の腹膜などの組織まで及ぶと、腹痛や下痢が起こるようになります。

腸のむくみ=慢性的な炎症を引き起こす要因は、日本人に大腸がんが増えてしまった原因と同じく、食の欧米化による動物性脂肪の摂りすぎ、加工食品などの添加物、アルコールの飲み過ぎだと考えられています。

医学的な研究の結果、「1日の動物性脂肪摂取量が30gを超えると、腸の炎症を引き起こす」ことが報告されています。外食や加工食品が多い人は、ハイリスク群なのです!

焼肉やハンバーグ定食をもう二度と食べてはいけない、というのではなく、同じ外食でも、週に1、2日は意識して和定食や温野菜、魚料理をチョイスするように心がけることから始めてみませんか。

週に最低1日は、
すべての消化器を休ませる
「休管日」を

私たちの体の「消化器」とは、口から肛門までつながる管になっています。つまり、食べたものは食道から胃に送られ、十二指腸から小腸へ、そして大腸に送られ、便となって肛門から排出されます。その過程でサポートする膵臓や胆のう、肝臓も消化器の仲間です。

消化・吸収の工場である消化器には、それぞれの臓器に役割があります。胃は消化液を分泌して食べたものを殺菌し、消化しやすい形にして十二指腸へ送り込みます。ここで胆のうから分泌された胆汁と、膵臓から分泌された膵液と混ぜ合わせ、栄養を吸収しやすくして小腸へ送ります。
小腸では、消化酵素が働いて食べ物の栄養分を吸収し、残りを大腸へ送ります。大腸では、水分を吸収して便をつくり、直腸に送って排便に至るのです。
私たちが毎日食事をするたびに、システムが整ったこの素晴らしい工場が、食べたものを消化・吸収するために働いています。
肝臓も胃腸と同じく消化器の仲間であり、主に体に必要な物質の合成や貯蔵、そして口から摂取したものに含まれるアルコールや有害な物質を解毒し、分解する工場としての役割を担っています。よく、お酒の飲み過ぎに対する注意事項として、「週に一度は休肝日を設けましょう」といわれますね。

例えば、あなたが工場で働く従業員だとして、工場長から「明日から、1日の労働時間を1時間に減らします。その代わり、全員休まないで365日働いてください」とルールを強制されたら、どう思いますか?
まったく休みがないということは、1日たった1時間の労働時間なのに、従業員は全員出勤して、製造ラインも稼働させなければいけないということです。それでは体も気分も休まらず、疲れが取れないし、ストレスを発散する時間もありません。誰だって、やる気が出ないのではないでしょうか。

これが、「ビール1杯だけだから、毎日飲んでも大丈夫だよね?」と同じことなのです。1杯のアルコールでも、体に入れば消化・吸収するために各臓器が稼働し、解毒工場である肝臓も働かなくてはいけません。全ての消化器が健康で長持ちするためには、定期的に休ませてメンテナンスをする時間も必要です。「休肝日」というのは、肝臓のためだけではなく、すべての消化器たちのために必要なのです。

それを無視して、毎日「ビール1缶」や「ワイン1杯」、あるいは揚げものや肉料理、激辛料理を毎日食べていたら、有給休暇が取れない消化器たちはメンテナンスも休養もできず、不具合が起きてしまうでしょう。

腸のむくみを
予防しよう

腸のむくみも、消化器官の不具合による典型的な症状のひとつです。少しのアルコールや脂肪分の多い食べものも、毎日摂取し続けていたら、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起きてむくんだ状態になり、腹痛や下痢を引き起こします。

私たちは毎日食事をしますから、現実社会の工場とは違って、完全休業日はありません。せめて、消化器の負担を考慮し、少なくとも週に1日、できれば週に2日は肝臓だけでなく、すべての消化器をいたわる「休管日」——胃腸などの臓器にやさしい食事を摂る日——を儲けるようにしたいものです。

腸のむくみを予防するために消化器内科のドクターが勧めるのは、次のようなことです。ぜひ、実行してくださいね。
・野菜をたくさん食べる
・水分をしっかり摂る(1日2ℓ以上)
・肉類や揚げもの、刺激物を減らす
・外食や加工食品に頼らない
・アルコールを飲みすぎない(まったく飲まない日をつくる)
・食事時間が不規則にならないよう心がける
・定期的に運動する習慣を設ける

「運動習慣がなぜ腸と関係するの?」と思うかもしれませんが、加齢や筋力不足によって腸のハリが失われると、慢性的な便秘が起こることがあります。通称「たるみ腸」によるこの便秘症状を回避するためには、ラジオ体操のような軽い全身運動が最適だとされています。 特に、ウエスト部分を左右に捻るような運動が効果的です。

ストレスによる
「デリケート腸」も増えている!

また、近年、若い人たちにも増えているのが「過敏性腸症候群(IBS)」です。試験や大きなプレゼンなどの前に、お腹が痛くなったり下痢をしたりしたことはありませんか?

脳と腸とは相関関係にあり、緊張や精神的なストレスを感じると、内臓の神経をつかさどる自律神経のバランスがくずれてしまい、腸の動きをうまくコントロールできなくなるのです。
過敏性腸症候群の症状は人によって異なり、「便秘タイプ」「下痢タイプ」「混合タイプ」に分かれます。混合タイプでは、便秘と下痢をくり返す状態が続きます。さらに、どのタイプでも腹痛やお腹の張り、ガス、吐き気などの症状を伴うことがあります。

もちろん、食生活や生活リズムを整えるセルフケアも大切ですが、ストレスの原因まではなかなか排除できないのが本音ではないでしょうか。 現在では治療法も研究され、効果の高い治療薬があります。市販薬に頼っているうちに重症になるケースもあるので、ひとりで悩まず、消化器内科クリニックなど医療機関を受診して相談してみてくださいね。

この記事について

・むくむのは顔と脚だけだと思っていたけど
・欧米スタイルの食生活が腸のむくみを引き起こす!
・週に最低1日は、すべての消化器を休ませる「休管日」を
・腸のむくみを予防しよう
・ストレスによる「デリケート腸」も増えている!
参考文献:
大久保政雄『大腸がんで死にたくなければ腸のむくみを取りなさい!』(すばる舎)

構成/文 吉本 直子
医療・健康ライター。一般向けの健康書籍や雑誌記事の執筆をはじめ、医師向けの学術誌制作にも携わる。得意なジャンルは皮膚科学全般および美容皮膚科学、婦人科学、漢方医学、栄養学など。 ライフワークは医学学会に参加することと、歌舞伎と浮世絵から江戸時代の人たちのセルフメディケーションを学ぶこと。

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