今晩、気持ちよく眠るための特効薬は、朝ごはんの◯◯◯だった!
#Health
前回の『昨夜はよく眠れましたか?』のコラムでは、
世界的に見ても日本人は睡眠が足りていない、という実態を紹介しました。
さらに、子どもも含めて、寝不足だけでなく、寝つきの悪さなどの睡眠障害を訴える人が多いことにも触れました。
今回は、寝室の環境や入浴時間以外に、睡眠の質を大きく左右するものについてお話しします。
目次
・睡眠をつかさどる「体内時計」
・良質な睡眠のもとをつくる食生活とは
・爽快に目覚めたいなら、寝る前のビタミンC摂取

地球上のあらゆる生物の脳には「体内時計」が備わっていて、時間や季節の変化に合わせて
体温や脈拍などを調節しています。
私たちヒトの「サーカディアンリズム(概日リズム)」は約24時間周期にセットされており、
朝起きたら活動を開始し、夜になったら眠るように体のコンディションを整えています。
前回の記事で説明した、「目覚めのホルモン」であるセロトニンと
「睡眠ホルモン」であるメラトニンも、この体内時計からの指令によって分泌されます。
ヒトの体内時計は“約24時間周期”といいましたが、実はこれがちょっと厄介なのです。
個人差はありますが、私たちの体内時計は地球の自転の周期である24時間よりも少し長く、
約25時間であることがわかっています。
そのため、私たちは朝起きて朝日を浴びたり、夜は暗く静かな部屋で寝たりすることによって、
そのズレを修正しながら生きていかなければなりません。
これがうまくいかないと、頭痛や倦怠感、心の不調の原因になります。
また、深夜勤務を伴う仕事に従事している人や、極端に不規則な生活をしている人、
あるいは週末の寝だめがクセになっている人の場合、脳が錯覚を起こして体内時計が狂ってしまいます。
その結果、まるで時差のある地域に旅行に行ったときのような眠気や倦怠感、
不眠などの症状が起こる「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」を招くことが少なくないのです。

「睡眠の質をよくしたいなら、寝酒やカフェインの摂取を避けて、寝る前にスマホをいじらない」などと
アドバイスされることは多いと思います。
でも、実は食事のとり方や食べるものが睡眠に大きく影響していることは、意外に知られていません。
良質な睡眠に必要なセロトニンやメラトニンなどのホルモンは、タンパク質に含まれる
「トリプトファン」というアミノ酸を材料として合成されます。
このトリプトファンは、私たちの体内ではつくることができないので、
食事やサプリメントによって摂取する必要があります。
特に重要なのが、朝ごはんです。
朝の食事で、卵や肉、魚、大豆製品などをしっかり食べて、十分なタンパク質を摂ることが、
メラトニンの分泌に関わり、その夜の睡眠の質を左右するのです。
また、セロトニンの90%以上は腸内でつくられるため、腸内環境をよくすることが大切です。
食物繊維や乳酸菌をしっかり摂って、便秘や下痢にならないようにしましょう。
このほか、鉄や葉酸、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムなども睡眠の質に関わるとされています。
このように考えると、やはり菓子パンやおにぎりなどの“炭水化物1点朝ごはん”ではなく、
和風でも洋風でも朝定食のようなメニューが理想的だということがわかります。
忙しい朝に、毎日そのような食事を摂るのは難しくても、コンビニの副菜を1品プラスしたり、
冷凍食材を活用した具沢山スープを作り置きしたりするのはいかがでしょうか。

どうしても朝の寝起きが悪い人は、過剰なストレスのせいでビタミンCが
大量に消費されてしまっているのかもしれません。
ビタミンCは、別名「ストレス対抗ビタミン」と呼ばれて、ストレスに対抗する
副腎皮質ホルモンのもとになる、コレステロールの生成に不可欠なのです。
爽快な目覚めには、「コルチゾール」というホルモンも関わっており、そこでもビタミンCが使われます。
また、睡眠ホルモンのメラトニンをつくるためには、鉄も必要です。
女性に多くみられる鉄欠乏性貧血がある人は、それが不眠の原因になっているかもしれません。
これらの水溶性ビタミンや鉄などは、食事から摂取しきれない場合もあるので、
サプリメントも上手に取り入れてください。
ビタミンCは、赤パプリカやブロッコリーなどの野菜、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類、
そしてキウイフルーツをはじめとする果物に多く含まれるので、積極的に摂るようにしましょう。
・良質な睡眠のもとをつくる食生活とは
・爽快に目覚めたいなら、寝る前のビタミンC摂取
参考文献:
厚生労働省e-ヘルスネット 睡眠と健康
構成/文 吉本 直子
医療・健康ライター。一般向けの健康書籍や雑誌記事の執筆をはじめ、医師向けの学術誌制作にも携わる。
得意なジャンルは皮膚科学全般および美容皮膚科学、婦人科学、漢方医学、栄養学など。
ライフワークは医学学会に参加することと、歌舞伎と浮世絵から江戸時代の人たちの
セルフメディケーションを学ぶこと。
世界的に見ても日本人は睡眠が足りていない、という実態を紹介しました。
さらに、子どもも含めて、寝不足だけでなく、寝つきの悪さなどの睡眠障害を訴える人が多いことにも触れました。
今回は、寝室の環境や入浴時間以外に、睡眠の質を大きく左右するものについてお話しします。
目次
・睡眠をつかさどる「体内時計」
・良質な睡眠のもとをつくる食生活とは
・爽快に目覚めたいなら、寝る前のビタミンC摂取
睡眠をつかさどる「体内時計」

地球上のあらゆる生物の脳には「体内時計」が備わっていて、時間や季節の変化に合わせて
体温や脈拍などを調節しています。
私たちヒトの「サーカディアンリズム(概日リズム)」は約24時間周期にセットされており、
朝起きたら活動を開始し、夜になったら眠るように体のコンディションを整えています。
前回の記事で説明した、「目覚めのホルモン」であるセロトニンと
「睡眠ホルモン」であるメラトニンも、この体内時計からの指令によって分泌されます。
ヒトの体内時計は“約24時間周期”といいましたが、実はこれがちょっと厄介なのです。
個人差はありますが、私たちの体内時計は地球の自転の周期である24時間よりも少し長く、
約25時間であることがわかっています。
そのため、私たちは朝起きて朝日を浴びたり、夜は暗く静かな部屋で寝たりすることによって、
そのズレを修正しながら生きていかなければなりません。
これがうまくいかないと、頭痛や倦怠感、心の不調の原因になります。
また、深夜勤務を伴う仕事に従事している人や、極端に不規則な生活をしている人、
あるいは週末の寝だめがクセになっている人の場合、脳が錯覚を起こして体内時計が狂ってしまいます。
その結果、まるで時差のある地域に旅行に行ったときのような眠気や倦怠感、
不眠などの症状が起こる「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」を招くことが少なくないのです。
良質な睡眠のもとをつくる食生活とは

「睡眠の質をよくしたいなら、寝酒やカフェインの摂取を避けて、寝る前にスマホをいじらない」などと
アドバイスされることは多いと思います。
でも、実は食事のとり方や食べるものが睡眠に大きく影響していることは、意外に知られていません。
良質な睡眠に必要なセロトニンやメラトニンなどのホルモンは、タンパク質に含まれる
「トリプトファン」というアミノ酸を材料として合成されます。
このトリプトファンは、私たちの体内ではつくることができないので、
食事やサプリメントによって摂取する必要があります。
特に重要なのが、朝ごはんです。
朝の食事で、卵や肉、魚、大豆製品などをしっかり食べて、十分なタンパク質を摂ることが、
メラトニンの分泌に関わり、その夜の睡眠の質を左右するのです。
また、セロトニンの90%以上は腸内でつくられるため、腸内環境をよくすることが大切です。
食物繊維や乳酸菌をしっかり摂って、便秘や下痢にならないようにしましょう。
このほか、鉄や葉酸、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムなども睡眠の質に関わるとされています。
このように考えると、やはり菓子パンやおにぎりなどの“炭水化物1点朝ごはん”ではなく、
和風でも洋風でも朝定食のようなメニューが理想的だということがわかります。
忙しい朝に、毎日そのような食事を摂るのは難しくても、コンビニの副菜を1品プラスしたり、
冷凍食材を活用した具沢山スープを作り置きしたりするのはいかがでしょうか。
爽快に目覚めたいなら、寝る前のビタミンC摂取

どうしても朝の寝起きが悪い人は、過剰なストレスのせいでビタミンCが
大量に消費されてしまっているのかもしれません。
ビタミンCは、別名「ストレス対抗ビタミン」と呼ばれて、ストレスに対抗する
副腎皮質ホルモンのもとになる、コレステロールの生成に不可欠なのです。
爽快な目覚めには、「コルチゾール」というホルモンも関わっており、そこでもビタミンCが使われます。
また、睡眠ホルモンのメラトニンをつくるためには、鉄も必要です。
女性に多くみられる鉄欠乏性貧血がある人は、それが不眠の原因になっているかもしれません。
これらの水溶性ビタミンや鉄などは、食事から摂取しきれない場合もあるので、
サプリメントも上手に取り入れてください。
ビタミンCは、赤パプリカやブロッコリーなどの野菜、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類、
そしてキウイフルーツをはじめとする果物に多く含まれるので、積極的に摂るようにしましょう。
この記事について
・睡眠をつかさどる「体内時計」・良質な睡眠のもとをつくる食生活とは
・爽快に目覚めたいなら、寝る前のビタミンC摂取
参考文献:
厚生労働省e-ヘルスネット 睡眠と健康
構成/文 吉本 直子
医療・健康ライター。一般向けの健康書籍や雑誌記事の執筆をはじめ、医師向けの学術誌制作にも携わる。
得意なジャンルは皮膚科学全般および美容皮膚科学、婦人科学、漢方医学、栄養学など。
ライフワークは医学学会に参加することと、歌舞伎と浮世絵から江戸時代の人たちの
セルフメディケーションを学ぶこと。