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地球にあまねく広がる、不思議な万能野菜「きのこ」

#Health
地球にあまねく広がる、不思議な万能野菜「きのこ」
秋の味覚の代表格のひとつ「きのこ」は 菌のちからで繁殖する不思議な生きもの。
旬を迎え、うまみが増すこの季節、美味しくいただきながら風邪を引かないカラダを作りましょう。

目次
・きのこ食は自然豊かな日本の文化
・きのこ繁殖の秘密
・数種類使ってうまみも栄養もアップ!
 

きのこ食は自然豊かな日本の文化



きのこはとても不思議な奥深い生きものです。マツタケやトリュフ、ポルチーニなど薫り高い美味であるとともに、
ときに毒きのこもあります。
癖のないさわやかな風味と干しリンゴに似た歯触りがあり、和風の吸い物として昔から食された
きのこ「ショウロ(松露)」は、傘や柄を持たない直径1.5~3cmの白色から黄褐色の球体。
海岸沿いの砂地や山地のクロマツ林に発生し、日本や北半球一帯、オーストラリアなどに分布します。
トリュフとよく似ているので日本ではトリュフを「セイヨウショウロ」と呼んでいます。

江戸時代に著された「本朝食鑑(医者が詳説した食物図鑑)」は「松の津気(しずくとなってにじみ出る気)が
凝結してできたものである。
それで俗に松露というのである」とショウロの記述があり、
江戸時代には栄養豊富で難病に効く妙薬と扱われていたことが示唆されます。

「本朝食鑑」にはマツタケ、ハツタケ、コウタケ、シイタケ、ヒラタケ、エノキタケ、ショウロなど10種類のきのこが
食用として記されています。 料理法は、吸い物、煮物、あえ物、焼き物が主であったとされています。
世界的にも日本人はきのこ好き民族。 きのこを表す言葉としてキノコ、タケ、ナバ、コケ、ミミ、クサビラ、モタシなど
多くの方言が残っていることからもうかがえます。 きのこ食は、自然豊かな森で暮らしてきた日本民族の食文化の特徴といえます。

 

きのこ繁殖の秘密


松尾芭蕉も訪れた日本三景の一つ、島々を望む絶景、松島(宮城県)では栄養がない岩の上で松が育っています。
これは松と共生するショウロの菌根菌の働きです。
ショウロの菌糸体は松の根が入りこめない土壌の小さな隙間に菌糸を伸ばし、水分、窒素、
ミネラルなどを吸収して松の木に送ります。
同時に乾燥や加湿から松の細い根を守ります。
ショウロは松の根がなければ生きていけませんからウインウインです。
マツタケとアカマツと同じ共生の関係です。

菌糸体といえば、米国ミシガン州の広葉樹林に広がるナラタケの菌糸体は15ヘクタール(東京ドーム3個分)、
推定重量100トン、推定菌齢1,500年。
地球上最大の生物と言われています。植物さえも少ない砂漠や南極にもきのこが生きています。
雨粒や動物が触れた衝撃を利用して胞子を飛散させる深い知恵で、きのこは地球全体へ分布を拡大しています。
最新の研究によって、きのこやカビが多い森林の上空は菌由来の雲ができて雨を降らせているらしいのです。
きのこは自ら作った雲から落ちる水滴によってどんどん生息域を広げているのでしょう。



※野生のキノコの中には有毒成分を含むものもあります。安易に触ったり、食べたりすることは避けてください。

 

数種類使ってうまみも栄養もアップ!


YouTubeフォロワー数59万人、テレビでも活躍する管理栄養士 関口 絢子さんは、
「しめじやシイタケはシジミよりもオルニチンを豊富に含み、疲労回復、肝臓機能をサポートします。
きのこは3種類以上をブレンドするとうまみが増しておいしくなり、免疫力もさらにアップします。
ビタミンD2はきのこ類や海藻類のみに含まれる栄養素。
骨を丈夫にし、神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行うカルシウムやリンの吸収を促進します。
きのこには野菜には珍しい発酵性の不溶性食物繊維のβ–グルカンが豊富。
血糖値の急上昇を抑え、血中のコレステロールを体外へ排出してくれます。
きのこは低カロリーでダイエットにも役立つなど万能野菜です」と話します。

秋から冬の代表的な味覚のきのこは、寒風が吹くと恋しくなる鍋料理や温かい汁物に欠かせません。
シイタケやエノキ、マイタケは鍋料理に、ナメコは汁物に大活躍です。
深まる秋の夜長には、きのこの菌糸体の奥深さに思いをはせながら、
日本の豊かな森林がくれた万能野菜きのこをトコトン味わい、
風邪を引かないカラダを作りましょう。
たまには自分へのご褒美にマツタケやトリュフ、ポルチーニで舌鼓を打つのも至福のひとときです。


この記事について
・きのこ食は自然豊かな日本の文化
・きのこ繁殖の秘密
・数種類使ってうまみも栄養もアップ!

監修 関口 絢子(せきぐち・あやこ)
管理栄養士、米国栄養カウンセラー、日本抗加齢医学会認定 抗加齢指導士、ヘルスケアプランナー。
登録者数59万人のYouTube「ウェルネスキッチン」やテレビ、女性誌、企業WEBなどメディア中心に活動。
近著に『管理栄養士が教える!世界一カンタンな長生きレシピ』(宝島社)、
『春夏秋冬疲れ取りごはん』(KADOKAWA)など。
► YouTube「ウェルネスキッチン」
► 普通のきのこが驚きの大変身!免疫力を高める調理法と万能きのこのアレンジレシピ
► 関口 絢子オフィシャルサイト



構成/文 高橋 誠
医療・健康コミュニケーター /病院広報コンサルタント。日米通算 37 年の広報業務を通じ医療・メディア関係者と
幅広い交流網を構築。
プレジデントオンライン連載「ドクターに聞く“健康長寿の秘訣”」、
月刊美楽連載「医療・健康分野のスーパーパイオニアたち」、
ダイヤモンドオンライン、現代ビジネス ( 講談社 )で医療記事を執筆中。