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家族みんなのスキンケア

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家族みんなのスキンケア
汗をかきやすい季節になりました。
外出後のお風呂やシャワーの回数も、いつもより増えるのではないでしょうか。
特にお子さんのいる家庭では、お風呂上がりに保湿剤を塗るのにひと苦労しているママもいるようです。
今回は、年代によって変わっていくお肌の性質を考えたスキンケアについてお話しします。

スキンケアの目的って?


私たちは、何のために「スキンケア=お肌の手入れ」をするのでしょうか。
スキンケアの目的は、まず、①皮膚の表面に付着した汗や汚れ、化粧品などを洗い流して清潔にすること、そして②アレルギーの原因になりうる花粉やホコリ、ダニ、日差しなどの外敵から防御するために備わっている「皮膚のバリア機能」を維持するべく、適切に保湿することです。
顔のスキンケアについては洗顔タイムに行うことができますが、全身のスキンケアはお風呂やシャワータイム、着替えのタイミングとかかわってきます。

私たちの肌は、生まれてから年齢を重ねるに従って、大きくその性質が変わっていきます。
もちろん、生まれ持った肌質やアレルギー体質の有無、地域による気候の差などによっても変わってきます。
しかし、年齢による肌質の特徴を把握し、それにふさわしいスキンケアを知っておくことは大切なポイントなのです。
 

年代によって変化する肌の保湿力


個人差はあるものの、私たちの肌質には年齢が深く関わっています。肌のライフサイクル----特に保湿力の変化は、概ね次のようなものです。
 
  • 新生児期(出生〜生後1ヶ月くらいまで) 皮脂の分泌が盛んで脂っぽく、湿疹などが起こりやすい
  • 乳幼児期〜学童期(5歳〜10歳くらいまで)皮脂の分泌量が減り、乾燥肌になりやすい
  • 思春期(10代) 皮脂の分泌が盛んになり、肌のベタつきやニキビの悩みが増える
  • 成年期(20〜30代) 肌質が大きく変化する時期。20代後半から、肌の水分量が低下
  • 更年期(40〜50代)皮膚のターンオーバーが遅くなり、乾燥肌になりやすい
  • 老年期(60代以降)皮膚の水分量、皮脂の分泌量が極端に減り、肌トラブルが起きやすい

お子さんのいるご家庭では、年代の異なる家族が一緒に暮らしています。なかには、三世代同居のご家庭もあるでしょう。
肌のライフサイクルに合わせて、保湿の仕方を工夫したり、保湿剤を使い分けたりすることができれば理想的ですね。
 

乾燥した皮膚の保湿はワセリンだけでは足りない?


「保湿が大事」というと、すぐにワセリンを思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし、ワセリンは皮膚に水分を補給するものではなく、皮膚内部の水分が蒸散しないよう、フタをする役目を果たすものです。
したがって、乾燥している子どもの肌やシニアの肌には、まずヘパリン類似物質のローションなどの保湿剤で水分や油分を補給してから、ワセリンを使うと効果的です。

特に気をつけたいのは、乳幼児期からの子どもの乾燥肌です。
生まれたての赤ちゃん時代はすべすべだったのに、子どもの皮膚はあっという間にカサカサになり、「皮脂欠乏症」のような状態になります。
本来のバリア機能が損なわれ、適切なスキンケアをしないままの皮膚からは、水分が蒸散し、花粉やダニ、ホコリなどが侵入しやすい状態です。
この時期のスキンケアをおろそかにすると、アレルギーの原因物質が皮膚から入り込み、食物アレルギーや花粉症、喘息などを引き起こす要因になりやすいので、注意しましょう。
1日2回の保湿ケアを習慣にして、お子さんの健康を守ってあげてください。
乾燥やかゆみが強い場合は、皮膚科を受診して相談することをお勧めします。
 

入浴は全身のスキンケアのチャンス


裸になって全身を洗浄し、ケアできるお風呂タイムは、最高のスキンケアのチャンスです。
できればシャワーだけで済ませずに、ぬるめのお湯に浸かり、毛穴に入り込んだ汚れを浮かせてやさしく洗い流しましょう。
体を洗うときは、くれぐれもナイロンタオルなどでゴシゴシこするようなことはせず、洗浄料をよく泡立てて手のひらに取り、泡を転がすように洗ってあげてください。

ぬるめのシャワーで洗い流したら、清潔なやわらかいタオルで押さえるようにして水分を拭き取り、服を着せる前に手早く全身に保湿剤を塗ってしまうのがコツです。
しかし、「毎日のお風呂タイムは戦争だから、そんなことムリ!」というご家庭も少なくないのでは?
裸で走りまわる子どもたちを追いかけまわして保湿ケアをするのは至難のワザ。まして、ママやパパ自身のスキンケアなど、後まわしになりがちです。

そんなときにおすすめしたいのが、濡れた肌にも乾いた肌にも使える保湿剤です。水分を含んだ皮膚は吸収力が高まっている状態なのです。
ママがお子さんに保湿ローションを塗ったら、ママの背中に塗るのはお子さんの役目、といった工夫で、親子のコミュニケーション・タイムを楽しめたらいいですね!
入浴後、保湿ケアをしないまま放っておくと、湯上りの皮膚からは時間の経過とともにどんどん水分が蒸発して、あっという間に入浴前よりも乾燥してしまう……という実験報告もあります。
 

水道水の残留塩素に要注意 


もうひとつ、入浴後の皮膚の乾燥を防ぐために気をつけたいのが、水道水に含まれる「残留塩素」です。以前のコラムでも触れましたが、水道水には決められた量の塩素が含まれています。安全な飲み水を供給するために必要なものではありますが、この残留塩素が敏感肌には刺激となることもあります。
シャワーヘッドや入浴剤によって、この残留塩素を除去することができるので、肌トラブルが気になっている人は検討してみるといいでしょう。


構成/文 吉本 直子
医療・健康ライター。一般向けの健康書籍や雑誌記事の執筆をはじめ、医師向けの学術誌制作にも携わる。
得意なジャンルは皮膚科学全般および美容皮膚科学、婦人科学、漢方医学、栄養学など。
ライフワークは医学学会に参加することと、歌舞伎と浮世絵から江戸時代の人たちのセルフメディケーションを学ぶこと。