乾燥しやすい季節に備える爪のケア
#beauty
夏から秋へと変化しつつある時期。油断していると季節は気づかないうちに移り変わって、乾燥しやすくなっています。こんな時に気をつけたいのが手指の爪。指先が乾燥してささくれができたり、二枚爪になったりしていませんか? 今回は、健康的で美しい指先を実現するためのヒントをお伝えします。
「爪の形が悪いから、ネイルしても似合わない」「ちょっとでも伸ばそうと思うと、すぐに亀裂が入ってしまって」「子育てや仕事で忙しくて、いつも手が乾燥して爪もカサカサ」。
実は、こんな悩みで爪に自信が持てない女性は少なくありません。
社会人になって働くようになり、自分に時間とお金を使うことができるときは、定期的にサロンに通ってジェルネイルを付け替えることができたし、水仕事で手を使う機会もそれほど多くなかったのに、それができなくなると一気に爪のケアがおろそかになります。
ライフステージが変化して、家事や育児などに追われるようになると、水仕事が増えてもこまめにハンドケアをしたり、爪のことを気にしたりする余裕がなくなります。
それでも、生活シーンの中で、形のいいきれいな爪を目にすると、ハッとして羨ましくなるものです。
反対に、ヘアも完璧、メイクにもこだわって眉毛やまつ毛までキメている女性でも、ふと手もとを見たら手指がガザガサで爪も乾燥して手入れされていなかったら、がっかりしますね。
デコラティブなネイルアートを施していなくても、スラリと伸びた指先と清潔で健康的な美しい爪を持つことができたら、それは究極のおしゃれかもしれません。
個人差や年齢、季節による差もありますが、大人の手の爪は1日に0.1mm伸びることがわかっています。
つまり、1か月で約3mm伸びるわけです。利き手の指の爪のほうが伸び方が少し速いとされています。
爪は皮膚が変化して形成されたもので、その成分はケラチンというタンパク質です。
皮膚表面の角質よりも硬くて強い繊維状のタンパク質です。
爪は全身の健康、特に血液の循環や血液成分の変化、薬剤などの影響を強く受けて、その変化が目に見えやすい部分です。
入院や手術を受ける前に「マニキュアやジェルネイルは落としてくるように」と指示されるのは、処置中に急な体調の変化が起きた際、爪の色も血流の状態を判断する材料になるからです。
爪に縦のスジが何本も入ってしまうのは、加齢によるものがほとんどですが、横にスジが入ってしまった場合、どの指の爪も同じような状態であれば、その部分が皮膚の下でつくられた時期に、何らかの病気や栄養不良などが起きていた可能性があります。また、抗がん剤の治療を受けていると、副作用で爪の組織も影響を受け、変形したり剥がれたりすることもあります。
ふだんから爪が割れやすい、薄くて反ってしまうようなケースでは、鉄欠乏性貧血も疑われます。特に生理痛が重い、量が多いなどの症状がある人は、婦人科で相談して血液検査で確認すると安心です。
また、ピンクの部分の色がいつもくすんで赤紫色に見えるようなら、血液の循環が悪い体質である可能性もあります。
冷え性、アザが治りにくいなどの症状も伴うようなら、体を温める食事や漢方薬などを試してみてはいかがでしょうか。
爪は、図のように先端の白濁した爪先(フリーエッジ)とピンクに見える爪床(ネイルベッド)、根元の甘皮(キューティクル)などから構成されています。
手の爪も足の爪も、定期的に切らなければ少しずつ伸びていきます。手の爪を短くする時には、爪切りではなく、ヤスリ(ファイル)を使って少しずつ削ることをおすすめします。爪切りでパチン、パチンと切ってしまうと、爪の層が剥がれて二枚爪になったり、薄い爪になっていくことにつながるからです。
そして、爪の先端のフリーエッジのギリギリまで短くせず、フリーエッジが2mm程度残るくらいにキープするようにしてください。
縦長の美しい爪の人の指先をよく観察すると、先端のフリーエッジだけではなく、その下のピンク色の部分が長くて指先まで達していて、形もきれいであることがわかります。「そんなの生まれつきなんだから、私には無理!」とあきらめる必要はありません。
爪の形は、日々のケアと意識の仕方で変わっていきます。
図のような「ハイポニキウム」「爪下皮」などと呼ばれるこの白い部分が伸びていくことによって、ネイルベッドも少しずつ指先まで覆うように長くなっていくのです。
ところが、日常生活——特に家事全般において、私たちは気づかないうちに、このハイポニキウムを剥がしてしまっていることをご存知でしょうか。
たとえば、新しい調味料や缶のプルトップのフタを開ける時に爪で持ち上げたり、届いたダンボールや郵便物を開封する時にテープを爪でカリカリ剥がしたりしていませんか?
濡れた洗濯物を干すために平らにする時なども、気をつけないと指先に負担がかかり、せっかく育ちかけたハイポニキウムが剥がれてしまいます。
仕事の場面でも、パソコンで文書を打つ時につい、キーボードを爪で叩いてしまう、書類を探す時に爪の先で大量の紙をめくるなど、キケンな作業はたくさんあります。

縦長の爪をつくるためには、ハイポニキウムを大事に育てて、少しずつネイルベッドを長くすればよいことがわかりました。
指は使うためにある道具なので、まったく指先を使わないわけにはいきませんが、ちょっと意識するだけで爪への負担は軽減できます。シールやテープ、容器のフタを開封する時は、ハサミやカッターなど、爪の代わりをしてくれる道具を使うことを習慣づけてください。
そして、 指先に負担がかかりそうな作業をする時には、「私はハイポニキウムを大事にする!」と念じてから。これだけで指の使い方が全然違ってくることを実感できるはずです。
ハンドクリームは、ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンなど、皮膚の保湿機能をうながす成分を含んでいるものがおすすめです。
手の甲や指の関節だけでなく、指先や爪まわりにもていねいにすり込んで、ついでにハンドマッサージを。
ハンドクリームは、キッチンや洗面所、ベッドサイド、そしてバッグの中にも常備しておくとすぐに使えて便利です。
ハンドケアの仕上げにネイルオイルやネイルセラムを使う場合は、爪の裏側もお忘れなく。ハイポニキウム部分を乾燥させないよう、潤いと栄養を補給しましょう。
深まる秋の乾燥した空気に負けないために、夜寝る前には好みの香りのハンドクリームで、指先と爪の「ひと手間のケア」を習慣づけて、憧れの縦長の爪を育て、きれいな指先をキープしてくださいね。
参考:日本皮膚科学会ホームページ 皮膚科Q&A「爪の病気」
構成/文 吉本 直子
医療・健康ライター。一般向けの健康書籍や雑誌記事の執筆をはじめ、医師向けの学術誌制作にも携わる。
得意なジャンルは皮膚科学全般および美容皮膚科学、婦人科学、漢方医学、栄養学など。
ライフワークは医学学会に参加することと、歌舞伎と浮世絵から江戸時代の人たちのセルフメディケーションを学ぶこと。
爪のおしゃれはネイルアートやジェルだけじゃない
「爪の形が悪いから、ネイルしても似合わない」「ちょっとでも伸ばそうと思うと、すぐに亀裂が入ってしまって」「子育てや仕事で忙しくて、いつも手が乾燥して爪もカサカサ」。実は、こんな悩みで爪に自信が持てない女性は少なくありません。
社会人になって働くようになり、自分に時間とお金を使うことができるときは、定期的にサロンに通ってジェルネイルを付け替えることができたし、水仕事で手を使う機会もそれほど多くなかったのに、それができなくなると一気に爪のケアがおろそかになります。
ライフステージが変化して、家事や育児などに追われるようになると、水仕事が増えてもこまめにハンドケアをしたり、爪のことを気にしたりする余裕がなくなります。
それでも、生活シーンの中で、形のいいきれいな爪を目にすると、ハッとして羨ましくなるものです。
反対に、ヘアも完璧、メイクにもこだわって眉毛やまつ毛までキメている女性でも、ふと手もとを見たら手指がガザガサで爪も乾燥して手入れされていなかったら、がっかりしますね。
デコラティブなネイルアートを施していなくても、スラリと伸びた指先と清潔で健康的な美しい爪を持つことができたら、それは究極のおしゃれかもしれません。
爪でその人の健康度がわかる
個人差や年齢、季節による差もありますが、大人の手の爪は1日に0.1mm伸びることがわかっています。つまり、1か月で約3mm伸びるわけです。利き手の指の爪のほうが伸び方が少し速いとされています。
爪は皮膚が変化して形成されたもので、その成分はケラチンというタンパク質です。
皮膚表面の角質よりも硬くて強い繊維状のタンパク質です。
爪は全身の健康、特に血液の循環や血液成分の変化、薬剤などの影響を強く受けて、その変化が目に見えやすい部分です。
入院や手術を受ける前に「マニキュアやジェルネイルは落としてくるように」と指示されるのは、処置中に急な体調の変化が起きた際、爪の色も血流の状態を判断する材料になるからです。
爪に縦のスジが何本も入ってしまうのは、加齢によるものがほとんどですが、横にスジが入ってしまった場合、どの指の爪も同じような状態であれば、その部分が皮膚の下でつくられた時期に、何らかの病気や栄養不良などが起きていた可能性があります。また、抗がん剤の治療を受けていると、副作用で爪の組織も影響を受け、変形したり剥がれたりすることもあります。
ふだんから爪が割れやすい、薄くて反ってしまうようなケースでは、鉄欠乏性貧血も疑われます。特に生理痛が重い、量が多いなどの症状がある人は、婦人科で相談して血液検査で確認すると安心です。
また、ピンクの部分の色がいつもくすんで赤紫色に見えるようなら、血液の循環が悪い体質である可能性もあります。
冷え性、アザが治りにくいなどの症状も伴うようなら、体を温める食事や漢方薬などを試してみてはいかがでしょうか。
爪の形の決め手は、ピンク部分の長さと切り方
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手の爪も足の爪も、定期的に切らなければ少しずつ伸びていきます。手の爪を短くする時には、爪切りではなく、ヤスリ(ファイル)を使って少しずつ削ることをおすすめします。爪切りでパチン、パチンと切ってしまうと、爪の層が剥がれて二枚爪になったり、薄い爪になっていくことにつながるからです。
そして、爪の先端のフリーエッジのギリギリまで短くせず、フリーエッジが2mm程度残るくらいにキープするようにしてください。
縦長の美しい爪の人の指先をよく観察すると、先端のフリーエッジだけではなく、その下のピンク色の部分が長くて指先まで達していて、形もきれいであることがわかります。「そんなの生まれつきなんだから、私には無理!」とあきらめる必要はありません。
爪の形は、日々のケアと意識の仕方で変わっていきます。
爪を育てる部分が剥がれるのはこんなとき!
縦長の爪を手に入れるには、ピンクのネイルベッドを育てることがポイントですが、そのためには、爪の裏側と指先の間にくっついている白っぽい皮膚のような部分を「できるだけ剥がさない」ことが重要です。図のような「ハイポニキウム」「爪下皮」などと呼ばれるこの白い部分が伸びていくことによって、ネイルベッドも少しずつ指先まで覆うように長くなっていくのです。
ところが、日常生活——特に家事全般において、私たちは気づかないうちに、このハイポニキウムを剥がしてしまっていることをご存知でしょうか。
たとえば、新しい調味料や缶のプルトップのフタを開ける時に爪で持ち上げたり、届いたダンボールや郵便物を開封する時にテープを爪でカリカリ剥がしたりしていませんか?
濡れた洗濯物を干すために平らにする時なども、気をつけないと指先に負担がかかり、せっかく育ちかけたハイポニキウムが剥がれてしまいます。
仕事の場面でも、パソコンで文書を打つ時につい、キーボードを爪で叩いてしまう、書類を探す時に爪の先で大量の紙をめくるなど、キケンな作業はたくさんあります。
爪のピンク部分を長くする生活術

縦長の爪をつくるためには、ハイポニキウムを大事に育てて、少しずつネイルベッドを長くすればよいことがわかりました。
指は使うためにある道具なので、まったく指先を使わないわけにはいきませんが、ちょっと意識するだけで爪への負担は軽減できます。シールやテープ、容器のフタを開封する時は、ハサミやカッターなど、爪の代わりをしてくれる道具を使うことを習慣づけてください。
そして、 指先に負担がかかりそうな作業をする時には、「私はハイポニキウムを大事にする!」と念じてから。これだけで指の使い方が全然違ってくることを実感できるはずです。
手指の清潔と保湿
そして、爪と爪まわりの皮膚を美しく健康に保つためには、手をきれいに洗い、こまめに保湿することが大切です。ハンドクリームは、ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンなど、皮膚の保湿機能をうながす成分を含んでいるものがおすすめです。
手の甲や指の関節だけでなく、指先や爪まわりにもていねいにすり込んで、ついでにハンドマッサージを。
ハンドクリームは、キッチンや洗面所、ベッドサイド、そしてバッグの中にも常備しておくとすぐに使えて便利です。
ハンドケアの仕上げにネイルオイルやネイルセラムを使う場合は、爪の裏側もお忘れなく。ハイポニキウム部分を乾燥させないよう、潤いと栄養を補給しましょう。
深まる秋の乾燥した空気に負けないために、夜寝る前には好みの香りのハンドクリームで、指先と爪の「ひと手間のケア」を習慣づけて、憧れの縦長の爪を育て、きれいな指先をキープしてくださいね。
参考:日本皮膚科学会ホームページ 皮膚科Q&A「爪の病気」
構成/文 吉本 直子
医療・健康ライター。一般向けの健康書籍や雑誌記事の執筆をはじめ、医師向けの学術誌制作にも携わる。
得意なジャンルは皮膚科学全般および美容皮膚科学、婦人科学、漢方医学、栄養学など。
ライフワークは医学学会に参加することと、歌舞伎と浮世絵から江戸時代の人たちのセルフメディケーションを学ぶこと。